【書評】「運を呼び込む神様ごはん・ちこ」ツヤツヤの塩むすびに神は宿る【感想】

自らを「開運料理人」と名乗るちこさんの本、運を呼び込む 神様ごはん。日本人の魂ってこんな感じだよね、ってしみじみ考えさせられる神道的スピリチュアリズムに満ちた食にまつわるあれこれの本。
おすすめ度:★★★★☆
読みやすさ:★★★★★
スピリチュアル度:★★★☆☆
目次
あらすじ・概要
sponsored links
ちょっと前に「トイレの神様
」という歌が流行りましたが、この本は台所の神様のはなしがメインと言えます。
たとえ、同じ素材と、同じ調理法で料理をつくったとして、作る場所や、作る人によって、味も、食感も、食べたときの気もちも違うのは、作る場所と、作る人が持っている“空気”が違うから。(運を呼び込む 神様ごはん
より引用)
台所は小さな神社のようなもの。日々きちんと清めて気持ちのよい空間にすること。
そんな場所でつくられた「ごはん」は、お腹を満たすだけでなく心も満たす。
ごはんさえ正せば人生はうまくいく、と運を呼び込む 神様ごはんは冒頭で言い切っています。
こころを満たす食事を生み出すヒントをこの本のなかからご紹介します。
いただきますの意味と日本の心
他国の言語では説明しきれない「いただきます」にこめられた日本の心。
「いただきます」という言葉は、「天地の恵み、箸を高く捧げて いただきます」の省略語です。「土と木々、海と空と太陽に、また食べ物を作ってくださった方々、食べ物を運んでくださった方々、ありがとう」そのすべての気もちを、ひと言に集約したものです。(運を呼び込む 神様ごはん
より引用)
食事は神事。その心を国学者の本居宣長が和歌に残しているのだそう。
ー味つ物(たなつもの) 百の木草も(もものきぐさも) 天照(あまてらす) 日の大神の(ひのおおかみの) 恵み得てこそ (めぐみえてこそ)
太陽の光によって育まれた、野菜や穀物、お米などの農産物、そしてお肉やお魚。その恵みに感謝する気もちが「いただきます」の一言に集約されています。
こんなこと書いてる私も最近は「いただきます」という言葉を意識して口に出したことがなかったのですが…
姿勢をただし、手を合わせて、毎回「いただきます」と言えるよう意識していきたいと思います。
食材を盛る器にも気もちはこもる
同じメニューでも、紙皿に盛られた料理と美しい手仕事が光る器に盛られた料理だったら、後者のほうがおいしそうに見えますね。
食器には、食べ物のエネルギーを高めてくれるものもあれば、逆に奪ってしまうものもあります。
(中略)
からだに直接ふれるものだから、からだへの影響が大きく、食器にふれた口をとおして、悪いエネルギーも体内にはいってしまうのです。(運を呼び込む 神様ごはんより引用)
最近では100均などでかわいくておしゃれな食器が安価な値段で売られています。
でも、やっぱり大量生産品よりも陶芸家の手仕事が感じられる器のほうが、格別のエネルギーがこめられているような気がします。
プラスチックの器より、絶対に陶器や磁器など「土のエネルギー」に満ちた食器をつかったほうがご飯がおいしくなります!
毎日いただくごはんに感謝の気持ちを表すために、その器にもこだわってみたいものです。
生命エネルギーに満ちた塩むすび
運を呼び込む 神様ごはんの著書、ちこさんの食に対する意識を変えたのは、17さいのときに塾の先生がにぎってくれた「塩むすび」だそうです。
おにぎりは米、塩、水と日本古来の神にささげる素材がギュッとあつまった、まさに日本人にとっての「ソウルフード」。
先日ご紹介したアーユルヴェーダと食、生命エネルギーについて書かれている本、「オージャスの秘密」でも書かれていた気がしますが、炊きたてのツヤツヤのお米をみると、なんだかものすごく幸福感と生命エネルギー(オージャス)に満ちているように感じます。
過去記事「「オージャスの秘密・服部みれい」からだの内側からキラキラのエネルギーを。」
とにかく炭水化物をへらす低糖質ダイエットが流行ってますが、食材を毒や悪のように語るのはなんだかスッキリしない…。
なんだか元気がでない、集中できない。そんな時は炊きたてご飯でつくった塩むすびさえあればジワジワと元気が湧いてきそうです。
風土はFOOD、地元のものと各地のものはバランス良く組み合わせて
身土不ニ、地産地消。マクロビでもアーユルヴェーダでも推奨されている「自分がいる土地」のもの、食材をいただく考え方。
じゃあ地元以外の食材は食べないほうがいいのか、海外の輸入食材はNGなのか、といった疑問がわいてきますが、運を呼び込む 神様ごはんに書かれているのは「地元のもの、それ以外のものは半々でとりいれる」考え方。
かなり精神世界とか仏教寄りの話になってきますが、人は今世に生まれ落ちる前にも幾度もの生を重ねています。
前世がどんな土地にいたかもわかりませんよね。
その魂の記憶を呼び覚ましエネルギーを与えてくれる食材は、なにも自分が今住んでる土地だけではないでしょう。
めっっっちゃくちゃ好きな海外の食材があれば、それを料理に取り入れるのって、なんだか自分の魂レベルの身土不二につながりそうです。
まとめ
この運を呼び込む 神様ごはんを読んで思い出したのは、槇村さとる先生のマンガ、「おいしい関係
」です。
ちなみに、槇村さとる先生のマンガは歳とってからの方が深く理解できます。これもまた「魂」のはなしです。
いつか紹介できたらと思います。
おいしい関係 はざっくり言ってしまえばフレンチシェフを志す女の子の物語なんですけど。
この話に「千代ばあ」というめちゃくちゃ食や料理に厳しいおばあさんが出てくるんです。
食材を最大限に活かす料理、米1粒1粒に感謝を込めて、1粒たりとも残さない。
おいしい関係 のなかで、「おなかを満たすだけならファストフードでもできる」っていうニュアンスの言葉が出てくるんです。
でも心を満たして生命エネルギー(オージャス)を高めてくれる、魂レベルで健康になれる食事って、絶対ファストフードじゃないと思う。
とれたての新鮮な食材を使って心を込めて作った料理って、それだけで「うーん。満ちている…」って感じます。
速く、安くが蔓延している世の中で じっくりと器や調理器具、食材に向き合う。
いつだって心をこめて、手を合わせて 「いただきます」。
そんな日本の古来の「食事は神事」という精神を忘れないようにしたいものです。
[ad#ad-1]