【占星術×映画評】映画「ルーム ROOM」からひも解く、自分の心の安定を得られる場所とは【PrimeVideo】

こんにちは。水星 亜弥子です。
最近Amazonプライム・ビデオ(amazonの有料会員制プログラム、amazonプライムの動画サービス)でひたすら映画を観ています。(現実逃避モード)
いまさらですが、amazonプライムは月間プラン400円(税込)、年間プランだと3,900円(税込)で音楽配信や動画サービスなど様々な特典が無料。もちろんamazonの買い物も翌日配達&送料無料(amazon発送のプライム指定商品のみ)で、映画や音楽がそれなりに好きな人にはかなりお得なサービスだと思います。
もうレンタルDVDやCDなんて借りる気しなくなりますよね。。。
というわけで。最近映画をよく観るので、ついでに映画評でも書いたろうと思ったのですが、一応このサイトは「占星術」を基本テーマにしているものですから。
占星術的観点も取り入れた個人的映画レビューをつらつらと書いていければなと思います。
ちなみに以前映画ムーンライトのレビューも占星術と絡めて書きましたね。
今回ご紹介するのは2015年に公開されたカナダとアイルランドの合作映画「「ルーム ROOM」」です。
○映画「ルーム ROOM」のざっくりとしたあらすじ
sponsored links
舞台は暗くて狭い閉ざされた部屋で暮らす親子のストーリーから始まります。
母親のジョイ・ニューサムは部屋の主に17歳の時に拉致されて以来7年もの間監禁状態に。その男との間に生まれた子どもが5歳の男の子、ジャック。
部屋の中はベッドやテレビ、お風呂にキッチンなど一通りそろっており、とりあえず不自由はない状態。
そして毎週日曜に男は部屋にやって来て、必要な日用品や食料を置いて行くのです。
ある日、ジャックとの会話をきっかけに母親の心に再び火が灯り、ついに閉ざされた部屋からの脱出をはかることに。
うまく脱出できたものの、閉ざされた部屋で生まれ育ったジャックは周囲の環境になかなかなじめず、またあの部屋に戻りたいと言い出す始末。また母親のジョイの家庭も監禁されている7年の間に変化があり、大衆の好奇の目にもさらされ心身のバランスを崩してしまいます。
脱出できたからハッピーエンド、というお話ではなく、この映画のメインテーマは「自分の心が還る場所」とか、「真の意味でのホーム(家庭)とは何か。家族とは何か」みたいなものだと思うのです。
ちなみに、このストーリーはオーストリアで実際に起きた「フリッツル事件」を元にした小説「部屋」が原作。フリッツル事件はこの映画「「ルーム ROOM」
」の世界より闇が深く、エリーザベト・フリッツルという女性が実の父親に24年間に渡って地下室に監禁され、父親との子供を7人も産んだという事件。
映画「「ルーム ROOM」」における脱出の方法や、罰を与えるために電気を止められたなどの話は「フリッツル事件」がベースになっているかと思います。
○0歳から7歳までの自分の家があなたの心が還る場所
sponsored links
占星術で、0歳から7歳までは月がつかさどる「体の安全」と「心の安定」を養う期間とされています。その期間に形成される心と生活の基盤は、言わば「自分の心が安定を得られるホーム」なわけで。成長した後もこの「心のホーム」は揺らぐことはありませんし、この基盤を軸に外の世界との関わりを持ったり社会で活動したりするようになるのですね。
そして。この映画「「ルーム ROOM」」のジャックは生まれてから5歳までずっと閉ざされた部屋のなかで暮らしてきたわけで、言ってみればその部屋が「心のホーム」なのです。脱出後もずっと周囲とはなじめず「あの部屋に帰りたい」オーラを前面に放っています。
正確な言い回しは忘れてしまいましたが、母親が自分の両親が住む家を「ホーム(家庭)」と呼び、「ホームに帰ろう」と呼びかけるのですが、ジャックは「ルーム(部屋)に帰りたい」って言うんですよね。
一方、母親としては外の世界に帰ってきたら複雑な状況が待っていたわけで。まず実の父はジャックを孫としてみてくれない。愛してくれない。なぜならジャックの父親は娘を拉致監禁した憎い犯人なのですから。またテレビの取材では執拗に「ジャックに将来父親のことを打ち明けるのか?」など聞かれ、母親は「あの子の親は私だけです」と自分に言い聞かせるように主張します。
本当の意味での家族には、血のつながりよりももっと大切な“つながる要素”があるはず。
一方で無視しようと思ったって完全には無視できないのが「実際の血のつながり」。
真の意味での家族の在り方を、映画「「ルーム ROOM」」の登場人物たちは現実世界で模索していくのです。
「心のホーム」は0歳から7歳までに形成されると書きましたが、そこに引きこもってばかりではこの社会で生きられませんよね。
7歳以降は自分が見たこと、知ったこと、感じたことを他者に伝える「水星期」に入ります。
実際に映画「「ルーム ROOM」」のなかでも、ジャックが7歳になるころには祖母と買い物に出かけたり、外で出会った同世代の友だちと交流したり、積極的に外の世界と触れられるようになってくるんです。
物語の最後に、ジャックのリクエストで母親とともにあの頃の“部屋”を観に行きます。
そこでジャックが見たもの、感じたものはいったい?
ラストシーンの詳細を書いてしまうとネタばれになり感動も薄れそうなので辞めておきます。
○映画「ルーム ROOM」のみどころはここだ!
sponsored links
前半部分の脱出までの経緯はなかなかスリリングで面白いです。
あと、何より、ジャックを演じた少年ジェイコブ・トレンブレイ君が本当にかわいい。
髪が長くて女の子みたいで。途中で髪を切るシーンがあるんだけど、長い方が雰囲気があった気がするな。
しかし子どもとは思えないほど自然な演技で見事に重要な役どころを演じ切っています。
脱出後に母親がテレビ取材を受けるシーンは、なんかいろいろツッコミたかったけどね。(被害者に根掘り葉掘り攻め立てるような質問するかね。普通。)
映画後半は親子が社会に適応していくまでの家族の心理描写がメイン。グダグダになりそうな展開だけど、役者さんがそれぞれ上手だったからか、最初の勢いを崩さずに最後まで集中して観る事ができます。
人間って、生まれた環境がすべてじゃないよね。って思わせてくれる映画です。(と、文章の締め方がわからずグダグダに終わる。)